林昌院の守護神:仁王像
春日井市田楽町に位置する林昌院の山門には、寺院の門を守る力強い仁王像が安置されています。この仁王像は、長きにわたり林昌院と地域の安全を見守ってきた、まさにお寺の「顔」とも言える存在です。


仁王像とは
仁王像は、正式には「金剛力士像(こんごうりきしぞう)」と呼ばれ、仏教の守護神です。寺院の入り口にあたる仁王門(山門)に左右一対で安置されることが一般的で、仏敵から寺院や仏法、そして参拝者を守る役割を担っています。
向かって右に立つのが「阿形(あぎょう)」像、左に立つのが「吽形(うんぎょう)」像です。
- 阿形像:口を大きく開け「あ」と発音する姿で、世界の始まりや宇宙の根源を表すとされます。威嚇するような力強い表情が特徴です。
- 吽形像:口を閉じ「うん」と発音する姿で、世界の終わりや一切のものが帰着する場所を表すとされます。内に秘めた力を感じさせる表情が特徴です。
この「阿」と「吽」は、宇宙のすべてを象徴する「阿吽の呼吸」という言葉の語源にもなっています。
林昌院の仁王像の魅力
林昌院の仁王像も、まさに阿形と吽形の迫力ある姿で、参拝者を迎えてくれます。
その特徴は、長年の風雪に耐え、今日まで寺を守り続けてきた歴史を感じさせる、重厚な存在感にあります。筋肉隆々とした身体表現や、今にも動き出しそうな躍動感は、訪れる人々に畏敬の念を抱かせるとともに、林昌院の歴史の深さを物語っています。
これらの仁王像は、単なる彫刻作品としてだけでなく、林昌院の歴史と信仰を今に伝える重要な文化財であり、地域の象徴でもあります。
林昌院を訪れたら
林昌院へお越しの際は、本堂へ向かう前にぜひ山門の仁王像にご注目ください。その力強くも慈悲深い表情、そして堂々たる立ち姿は、林昌院の歴史と仏教の世界観を肌で感じさせてくれることでしょう。
仁王像の威容に触れることで、林昌院が守り伝える伝統と信仰の深さを、より一層感じていただけることと思います。
秋葉山 林昌院(りんしょういん)
住所:春日井市田楽町1716番地
電話:0568-84-6238
FAX:0568-84-2620
・JR中央本線春日井駅から名鉄バス
・小牧行き 西町屋バス停下車 徒歩10分